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■代表者 大矢由紀夫
 
■所在地 〒456-0062
愛知県名古屋市熱田区
大宝一丁目1番1号
ヴェルクレート日比野A棟216号
■TEL&FAX (052)683-5150
■E-mail info@gts-kokoro.jp
■定休日 土、日曜日
■受付時間 9:00~18:00(予約優先)
あるプロ野球選手との出来事①
2~3日前、久しぶりに野球を見に行きました。去年、一昨年はよく見に行ったのですが、今
年は行っていません。もうあまり見に行くこともないだろうと思いながら見ていましたが、フッ
とある選手のことを思い出しました。
これから書くことは、その選手に直接聞いたわけでもなく、私の勝手な思いこみかもしれま
せんので、フィクションだと思ってください。

そのプロ野球選手は、メンタルアドバイスにでてくる選手と同じチームの投手でした。その
投手はそのチームのエースとして十年間活躍してきました。数々のタイトルを取り、数年前
までは日本一の投手ともいわれていました。
その投手も、私が球場に試合を見に行くと、よく私の方を見ていました。(そのチームのほと
んどの選手が、私が球場に行くとこちらを見ていましたので、多分メンタルアドバイスにでて
くる選手が、私のことをみんなに話したのでしょう)

その投手が、一昨年の終盤の大事な試合に先発した時のことです。
その試合は大事な一戦だったので、私も見に行っていました。私は大体決まった席に座る
のですが(三塁側内野席です)、その試合もその席で見ていました。目の前にその投手が
見えます。
その大事な一戦に、その投手はすごい気合で投げていました。その気合がこちらにも伝わ
ってくるようでした。そして内容もまたすごかったのですが、とにかく最初から三振狙いでバ
ンバン投げ、三振の山を築いていました。初回から三振ばかり取るので、周りのファンはも
う大騒ぎです。この投手は数年前までは、豪速球をガンガン投げて完投する力投型の投手
でしたが、ここ数年は、ここぞという場面にだけ速球を投げる、軟投派にかわっていました。
それが今日の投球は、昔のようなというか、それ以上のピッチングです。

「すごいなぁ」と思ってみていると、あることに気付きました。
今日の私の席は三塁側内野席です。この投手は右利きで、ノーワインドアップで投げるの
で、一度体を三塁側に向けないと投げれません。投げる前にかならず一度、三塁側に体を
向けるのです。すると私からは、この投手が正面に見えます。この投手からも多くのファン
が、この投手を見守る中に、私が見えていたはずです。

「あれっ」と思ったのですが、よく見ていると、この投手はツーストライクをとると、必ず一度
私を見てから投げているのです。最初は気のせいかと思ったのですが、次の打者の時も
その次の打者の時も、同じことをしています。
はじめは「何で毎回こっち見てんだろ」と不思議でしたが、そのうちに、どうも三振をとるとこ
ろを私に見せてくれてるようで、これは真剣に見ていないと悪いかなと思えてきました。
普通なら、このチームの攻撃の時は真剣に見て、守りの時は何か買いに行ったり、トイレ
に行ったりするのですが、今日は逆です。この投手が投げてる時は席をはずせません。

しかし、この日のこの投手のピッチングはすごかったのです。とにかくストライクを投げるの
です。当たり前と思われるかもしれませんが、そうではありません。
この試合は、最初から何度も言っていますが、大事な一戦でした。普通ならボールを混ぜ
て、もう少し慎重にピッチングを組みたてながら、投げてしかるべきでしょう。いくら私が野球
は素人とはいえ、長年プロ野球は見ています。それぐらいは多少野球を見ている人なら、
誰でも分かります。
ところが、この投手、一球もボールを投げようとしないのです。それは、審判がボールと判
定すると、その投手と捕手まで「えっ」という態度をとるので、その事実が分かります。
今日この投手は、相手のチームのすべての打者に対して三球三振を狙って投げていました。
まるでマンガの世界のような話ですが、それを、この投手はやろうとしていたのです。少なく
とも、私にはそう見えました。

私は半ばあきれ、しかし、こんなピッチングをしているピッチャーもピッチャーなら、それをさし
ているキャッチャーもキャッチャーだなとも思い、それに、ベンチの監督やコーチも何も言わ
ないのか、不思議でなりませんでした。しかし、意気に燃えているピッチャーに対し、ゴチャ
ゴチャこちらが気を使って考えるのは失礼な話です。
もうくだらない考えはやめて、その投手のピッチングを心から、楽しむことにしました。その投
手は七回まで投げ、九三振を奪う力投を見せ、結局交代するまでツーストライクを取ると私
の方を見てから投げるという、投球を続けました。なにか、この投手に三振ショーを見せても
らえたようで、心から楽しめました。そして、これほどの投球をしたこの投手に感心し、心から
感謝したのです。

よく皆さんは感謝しますという言葉を使われますが、感謝するということは、感謝しますと口で
言うだけとか心で思うだけでは、感謝したことにはなりません。本当に感謝するとは、感謝の
心と報恩の行為、この二つがそろってはじめて感謝したことになります。
私は、一生忘れることができない試合を見せてくれたこの投手に、感謝するのと同時に、何か
お返しができないかと考えました。
そしてあることを思いついたのです。
by gtskokoro | 2009-07-06 15:58
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