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■代表者 大矢由紀夫
 
■所在地 〒456-0062
愛知県名古屋市熱田区
大宝一丁目1番1号
ヴェルクレート日比野A棟216号
■TEL&FAX (052)683-5150
■E-mail info@gts-kokoro.jp
■定休日 土、日曜日
■受付時間 9:00~18:00(予約優先)
シャリー・プトラー③
ウパテッサとコリータは弟子達を連れ、釈尊のいる竹林精舎へと急ぎます。竹林精舎につ
いて二人が釈尊の前に進み出ると、釈尊は「あなたがウパテッサ、そちらがコリータですね。
よく訪ねて来られた。あなた方はいろいろ求められて来られた方ですね。師に巡り合えて
本当によかった」と労らわれます。
ウパテッサは質素な法衣と飾り気のない姿の中にも、どことなく威厳がある釈尊を一目見る
なり「ブッダー、私達をお弟子に加えてください。お導きをお願い致します」と、口走っていま
した。コリータも同じで釈尊を見た瞬間、遠い昔の師に、やっと巡り会えたような懐かしさに
おそわれ「ブッダー、お懐かしゅうございます」と叫び、泣き出してしまいました。初対面の者
がいきなり涙を流して懐かしがる、不思議な光景でした。しかし、ウパテッサもコリータも体
の中から揺れ動く、感激の鼓動をどうすることもできませんでした。

どうしてこういうことが起きるのでしょう?
釈尊のことを観自在菩薩とも言います。観自在とは人の現在・過去・未来やこの世界のす
べてを一瞬で見通せる力のことを言います。(観ること自在の菩薩=観自在菩薩)この観自
在の力をもたれた方は、身体から絶えず光を放っています。すると過去世で釈尊と縁の深
かった者は、この光によって心の奥に眠っている過去の記憶が表面意識に流れ出し、現在
の記憶を飛び越えて過去の記憶が甦ってきます。それでこのような現象が起きてくるので
すが、ウパテッサとコリータは特に釈尊との縁が深い方達でありました。

釈尊はウパテッサとコリータの現在のことはもちろん、過去世のこともすべて知っていられま
した。釈尊は竹林精舎にすべての弟子を集められ、次のように話されます。
「今から新しくブッダに帰依したサロモン(修行者)を紹介する。こちらのサロモンはウパテッサ
という者、その後ろに座している者はウパテッサの指導を受けている弟子達である。ウパテッ
サはやがて君達に法を説き、君達のよき指導者となるであろう。またウパテッサの隣に座し
ているサロモンはコリータといい、ウパテッサの小さい時からの修行仲間であり同士だ。ウパ
テッサ同様このコリータもやがて君達を導くだろう。この者達は今日からブッダに帰依し、法
に帰依し、教団に帰依したのである。諸君達もしっかり法を依りどころとして修行してほしい」
先輩が後輩を導くというのはどんな世界でもありますが、釈尊は今、帰依したばかりの新参
者二人が、古い弟子達を指導するようになると言います。釈尊の言葉を聞いて、早くから釈
尊に帰依した弟子達の間からざわめきが起きました。

今生だけを見ても、必ずしも先輩が後輩を生涯通じて導くとは限りません。年齢や先輩、後
輩にかかわらず魂の過去の遍歴によっては、先輩より後輩の方が魂の高い次元にあること
もあるのです。法の世界においては、魂の次元の高い者が指導者になることは当然であった
のですが、そのことが分からない多くの弟子達は、心に抵抗をつくり動揺する者も少なからず
いました。すべてを知っていられた釈尊はまた言われました。
「帰依したことの早い遅いによって、その者達の魂が偉大であるかどうか決めることはできな
い。そなた達はブッダの過去六仏のいずれかの縁によって、現世の弟子となったなのであ
る。しかし、ウパテッサもコリータもブッダの過去六仏の縁をことごとく体験した。ウパテッサも
コリータもブッダが前生で肉体を持ったとき、すでに菩薩としての悟りを得ていたのである。
今生だけの縁をもって、先輩、後輩と決めて不平不満をいだいてはならない」

釈尊はウパテッサとコリータを、過去六仏の縁をことごとくを体験したといわれました。釈尊は
過去六度この世に出世され、仏として法を説かれました。これは原始経典「テーラガータ」に
「過去六仏の踏みゆきし道をゴーダマ(釈尊)は行けり」と書かれてありますが、この六度この
世に出られて、法を説いていられる時すべてに一緒に出て釈尊に仕えたのが、ウパテッサと
コリータであり、この過去からの縁によりウパテッサとコリータは「釈尊常随の弟子」(しゃくそ
んじょうずいのでし)と呼ばれます。(釈尊は過去六度この世に出て法を説いたと言われてい
るのに、釈尊入滅後は、涅槃に入られた釈尊は、二度とこの世に出世されないと言われるよ
うになりました。ずいぶんおかしな話ですね)

最初は不平不満をもっていた古い弟子達も、釈尊の言葉を聞いて反省し、ウパテッサとコリー
タも、その過去世からの力を次第に発揮して、釈迦教団の中でグングン頭角を現していきま
す。ウパテッサの力をよく知っていられた釈尊は、次第に釈迦教団の統制をウパテッサに任さ
れるようになります。釈迦教団をウパテッサに任された釈尊は、法を説くことに専念されるよう
になり、釈尊が法を説くことに専念されると、釈尊の説かれる正法は急速に広がっていくこと
になるのです。
by gtskokoro | 2009-07-13 16:46
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