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■代表者 大矢由紀夫
 
■所在地 〒456-0062
愛知県名古屋市熱田区
大宝一丁目1番1号
ヴェルクレート日比野A棟216号
■TEL&FAX (052)683-5150
■E-mail info@gts-kokoro.jp
■定休日 土、日曜日
■受付時間 9:00~18:00(予約優先)
シャリー・プトラー②
ウパテッサには竹馬の友であり親友でもあった、コリータ(後のマハー・モンガラナー、大目
連)がいた。二人の出会いは次のようなことであった。

インド人はお祭りが好きで、日をきめて村々が集まり祭りの集会をしていました。ウパテッサ
の故郷でも、よくこのようなお祭りの集会が開かれ、皆楽しそうに踊り狂っていました。しかし
ウパテッサは、そのような祭りに参加することは破滅の道と教えられていたため、そんな祭
りには一切参加しませんでした。
しかし、わずか十六歳で天才の名を、ほしいままにしていたウパテッサといえども人の子で
す、他の十六、七歳の子らと同じように、祭りに参加して踊り狂ってみたいという、気持ちは
強く持っていました。その一方で、インド哲学の神髄に触れた理性は、それは破滅の道であ
る、ということを知ってその思いを否定しようとします。ウパテッサの青春は、その二つの思
いに揺れ動きます。楽しそうに踊り狂っている人がいる。自分もあんなに夢中になって、な
にもかも忘れて踊れたら、どんなに楽しいのであろうか、フッと気がつくと、いつしかウパテ
ッサもこの祭りの人となっていました。

踊り狂っている人達の真似をして、踊りの輪の中に入りふざけて踊ってみましたが、そうし
た途端ウパテッサの心はたちまち虚しくなり、激しい嫌悪感に襲われます。いたたまれなく
なったウパテッサは、踊り狂っている人の輪からはずれ、誰もいない森の中に入り、一本
の木の下に座りました。祭りの笑いさざめく声、太鼓や笛の音がかすかに聞こえてきます。

「人はいつしか死ぬのである。今、この山に集まって歌い踊っている人達も、あと百年もす
れば誰も生きている人はいない。あそこにいる人達は何のための人生なのか、死んだらど
こに行くのか、そんなことも考えないで、歌って踊って楽しんでいるが、それが人生にとっ
てどれほどの価値があるというのか。今はああして浮かれていても、この祭りが終われば
また人を憎んだり恨んだり愚痴ったりして、少しも進歩のない堕落の道を歩むのである。な
んと馬鹿な時間を過ごしていることか」

うかうか人の波にうかれて、祭りの輪の中に入ってしまったことが、悔やまれて仕方ありま
せんでした、もう二度とこんなことはしない、そう誓うウパテッサでありました。
我に返ったウパテッサが、後ろに人の気配を感じ振り返ってみると、自分とそう歳もかわら
ないと思われる青年が立っていました。名を聞くと「コリータ」だといい、ウパテッサが住む村
の隣の村に住んでいるとのことでした。
このコリータもウパテッサほど名は知られていませんでしたが、家柄もよく優れた人物でし
た。二人はその場に腰をおろし語り合ってみると、まったく同じ考えをもっていました。話して
いるうちにウパテッサとコリータは、なにか昔からの友であったような気がしてきて、その場
で親友となり一緒に学んでいくことを誓います。この誓いは生涯破られることは、ありませ
んでした。後に釈尊の弟子となった二人は、釈尊の二大弟子として一生をともに釈尊の下
で修行して行くことになったのです。

ウパテッサとコリータは同じアサンジャーの弟子でしたが、師の教えに満足することなく人
が本当に救われるのにはどうしたらいいのか、それを教えてくださる方を探し求め、もしどち
らかが、そのような人を見つけたならば、必ず連絡しあおうと約束していました。
ある時ウパテッサが、ラジャグリハの郊外で遊行中休憩をしていると、目の前を眼のきれい
な他のバラモンの修行者とはまったく雰囲気の違う、若い修行者が通りました。ウパテッサ
は、この方はもしかして仏陀ではないのかと思い、声をかけますが、その人は仏陀の弟子の
一人のアサジという人でありました。そのアサジから仏陀が出世されているということを聞き、
大急ぎでコリータのもとに走ります。

ウパテッサはコリータに仏陀が出世されていることを話し、会いに行くことを告げます。しかし、
コリータは「その人は本当の仏陀なのか?自称仏陀という人はたくさんいるからな」と、疑い
ます。しかし、弟子の雰囲気からして他の修行者とは違う、とウパテッサが必死で話すとコリ
ータも信じ、自分達の弟子達を連れて、仏陀に会いに行くことになります。
ウパテッサとコリータは釈尊と衝撃的な出会いを、これからすることになります。そして、この
二人が釈迦教団に入ることにより、釈迦教団も大きく運命がかわっていくことになったのです。
by gtskokoro | 2009-07-10 15:39
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